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一度訪れたらまた来たくなる。あじき路地の新しいレトロな喫茶店


若手作家が暮らすあじき路地の一角に昨年8月オープンした「喫茶 文六」。“文六”という渋い店名が似合うレトロな店内では、若き二人の店主・多田さん(写真・左)と高田さん(右)が迎えてくれる。

二人の出会いは大学時代、留学生支援の仲間なのだとか。「高校時代から自分は社会に出てやっていけへんと思ってたんで、自分で何かやろうと考えていたんです」と話すのは多田さん。いじめで苦しむ人を救いたいという思いを抱き、大学へ進学。学ぶ中で「カウンセラーみたいに直接的ではなく、普段の会話の中で心が軽くなったり、悩みを少しでも軽減したりできたら」と、“交流が生まれる場所づくり”に焦点をあてた。そして、「街に溶け込める気がするから」と喫茶店を開く道を選んだという。そんな多田さんの話を横で聞きながら息のあったフォローを入れる高田さんは、これまで旅行関連の会社や小学校での勤務など多彩な経験を持つ。「いろいろさまよいましたが、もともと何か自分でできたらと思っていました」と、喫茶店経営に挑むことに。

料理担当は多田さん。幼い頃から料理をしてきた経験と抜群のセンスを活かした料理にはファンが多い。接客担当は高田さん。視線の先や思いを汲み取ってくれる接客に思わず長居したくなる。時にはなみなみ注いだ“たぷたぷ”のコーヒーをどちらが運ぶか争うこともあるというが、なんともバランスの取れた二人。お互いの長所を「お金の管理と整理整頓ができるところ」「料理ができて、誰にでも気に入られるところ」と若干よそよそしく返す二人だが、言葉に語られない互いへの信頼を確かに感じた。

多くのお客さんが一度来たらリピートしてくれるそうで、「2回目からはもう常連さん」と二人は笑う。もう一度来たくなる理由はおいしい料理や“たぷたぷ”のコーヒーであり、この落ち着く空間だが、一番の理由は二人にまた会いたいからだろう。

手間暇かけた自家製ケッチャプを使用した「季節のナポリタン」


季節のナポリタン(850円)には自家製ケチャップを使用。玉ねぎ、ニンジン、セロリを1時間炒め、トマトなどを入れてさらに1時間と、手間暇かけたケチャップは程よい酸味とまろやかな甘み。旬の野菜をたっぷり入れるのが文六流。たぷたぷのコーヒー(400円)も一緒にどうぞ。

あつあつのホットサンドや高田さんが手掛ける「文六プリン」にも注目。

靴を脱いで上がると、温かい光が灯る家のような居心地のよい空間が広がる。店内はちゃぶ台の席も含めて7席ほど。空間に流れるレコードのほとんどはお客さんにいただいたものだとか。「好きな曲かけてください」と多田さん。これからは「中学生や高校生が子どもだけでふらっと寄れるような喫茶店」が目標だという。