調和のとれたスパイスで香り高く。ジャマイカ名物のジャークチキン

2025年5月にオープンしたばかりの、京都では珍しいジャークチキンの店。
ジャマイカ発祥の「ジャークチキン」は、スパイスやハーブ、調味料に漬け込んだ肉をドラム缶でじっくり焼き上げて作る料理。日本各地のジャークチキンを食べ歩いた店主いわく、スパイスや調味料の配合次第で、店ごとの個性がはっきりと味に表れて面白いのだとか。
こちらのジャークチキンは、子どもでも食べられるように辛さ控えめ。オールスパイスやクミン、シナモンなど、7種類のスパイスとハーブをブレンドして使う。さらに、はちみつや醤油を合わせた自家製ダレに漬け込み、しっかりと味をなじませてから香ばしく焼き上げる。
「スパイスや調味料のバランスが大事。」と話す店主。毎日スパイスや調味料の配合を見直し、常連客にしか分からないような細やかな調整で、おいしさを少しずつアップデートしているという。
ランチプレートの「チキン&ポーク」は店のイチオシ。ココナッツミルクの香る伝統的な豆ごはん「ライスアンドピーズ」の上に、スモーキーな鶏モモ肉と豚バラ肉が贅沢にのっている。
煙立つドラム缶で、チキンにじっくり火入れ

テラスのドラム缶で焼くジャークチキンはしっとり柔らか。オーブンレンジのように熱を行き渡らせたドラム缶で、40分かけて余計な脂を落としながら、ヘルシーに仕上げる。肉の配置を途中で変え、炭火の真上を避けつつ均一に火を通すのがポイントだそう。仕上げに炭火で焼き色をつけ、パリッと香ばしい皮目に。こんがり焼けたスパイスの香りが食欲をそそる。
ジューシーなポークは赤身と脂身が両方味わえて、食べ応え十分。肉肉しい赤身の旨みと、とろけるような脂身のコクが混ざり合い、噛むほどに奥行きのある旨みを生む。

混ぜて混ぜて、スプーンで頬張って

口に入れた瞬間、スパイスやハーブの豊かな風味がふわっと立ち上がり、肉のしっかりとした旨みが広がる。スパイスの複雑な風味をまとった肉の奥深い味わいに、ついスプーンが止まらない。彩り鮮やかな野菜たっぷりの副菜をライスアンドピーズに混ぜながら、肉と一緒に食べるのがおすすめだとか。
よりおいしく味わうために、国産のスコッチボネットを使ったホットソースと、ケチャップを用意。好みの量をかけ、味を自由に調整できてうれしい。ホットソースはフルーティーな風味とじわじわ広がる本格的な辛さを、ケチャップは甘酸っぱさと旨みがマッチしたマイルドな味をプラスする。
ヴィンテージと遊び心あふれるアメリカンダイナー

チェック柄のバーカウンターが目を引く、赤を基調としたレトロポップな店。店主がセレクトしたレゲエ音楽がBGMに流れ、壁に飾られた派手なネオンサインが食事の気分を盛り上げる。
インテリアはすべてテナントのオーナーが集めたもの。今も動くテーブル型のアーケードゲーム機や、当時の価格表示が残るたばこの自販機など、ヴィンテージ好きにはたまらない年代物が揃う。

ペット歓迎!看板犬とジャークチキンを広める新たな挑戦

ルールを守れば、ペットの同伴OK。店主が自ら屋根を手作りした広いテラスがあり、料理を待つ間にペットと遊んで過ごせる。
これまで4年間、ジャークチキンを京都に広めようとキッチンカーで走り回っていた店主。看板犬のカンタくんとの暮らしが始まり、「大切な家族と常に過ごせる場所を作ろう」と店をオープンすることに決めたのだとか。
「京都にジャークチキンの店がもっと増えてほしい、ジャークチキンを多くの人に知って欲しい」という店主の思いで、キッチンカー営業も継続中。ペットとの暮らしに合わせてスタイルを変えながらも、変わらぬ情熱で挑戦を続けている。