やわらかなコーヒー寒天にとろとろパンナコッタを絡めていただく新定番

珈琲あんみつ840円(テイクアウトのみ)※写真は盛り付けイメージです

移ろいゆく季候の美しさを映した和菓子が人気の菓子店。店頭には生菓子のほか、様々な甘味が並ぶ。「珈琲あんみつ」は今年登場した新メニュー。やわらかで「トゥルルン!」と舌の上を滑るコーヒー寒天やモッチリとした白玉、自家製の粒あんに、フルフルとろとろのパンナコッタを絡めていただく。コーヒー寒天の、ただの寒天ともゼリーとも違う絶妙な食感にうっとり。カルーアの風味が少し効いたパンナコッタとの相性にも、おいしい驚きが楽しめる。

カップに詰めるのは注文が入ってから。詰めたてをテイクアウトできる

モノトーンのツートンカラーがスタイリッシュな佇まい。蜜ではなく、パンナコッタをソースのようにして楽しむというアイデアが光るひと品。

銅の大鍋で粒あんを炊く様子。タイミングが合えば目撃できるかも

店主の名主川さんが炊き上げる粒あんの上品な甘さも口福。ほろ苦のコーヒー寒天、まったりとしたパンナコッタとのハーモニーが、繊細な甘みをより一層幸せなものにする。

 

見本箱に並ぶ甘味の静かな美しさに目を奪われる

美しくも、現代の日常にそっと寄り添ってくれる珠玉の和菓子たち

カウンターの見本箱には、4、5種類の主菓子、旬のくだもののジャムを流し込んだ白小豆の水ようかん、アンデルセンの小説『即興詩人』をモチーフにした名物の“文学菓子”「アントニオとララ」などが並ぶ。「珈琲あんみつ」のほか、くだものが主役の季節限定のあんみつも有り。

名主川さんがつくり出す和菓子は、季候の美しいもののほか日本文学の表現から着想を得たものも多く、茶道に馴染みのない人でもコーヒーや紅茶、中国茶など、日常の延長にある飲み物と組み合わせて楽しめる。誰もが手軽に手を伸ばせる「物語」が描くイメージの美しさ、おいしさを、フルーツやミルクを使った親しみやすい素材で表現した味で京都の内外にファンを持つ。

 

和のお菓子のほか、「あんバターチャバタ」も定番の人気商品

こしあん、バター、くるみを自家製チャバタで挟んだ「あんバターチャバタ」400円

「あんバターチャバタ」は2020年のオープン以来の定番人気商品。和の雰囲気を感じるお菓子だけでなく、「もっと気軽に楽しんでもらえるものを」と夫の高行さんが考案した。おいしさと満足感などを追求した結果、年々ボリュームがアップ。くるみの歯ごたえと風味、バターのとろける背徳感、こしあんの親しみやすい甘み、そしてチャバタの香ばしさともっちり食感を一口頬張り噛みしめれば、“甘いもん”の幸せが込み上げてくる。

 

街なかのざわめきから少し離れた、生活の香りがする場所

最寄りは地下鉄「五条」駅。西へ徒歩10分と少しのところにある

堀川通から一本東にある醒ヶ井通と、五条通を一本上がった万寿寺通の角っこにある店舗は、市街地でありながら暮らしの香りもするエリアにある。お菓子の予約は、インスタグラムプロフィール画面にリンクのある専用アカウントからDMで可能。