「黒醋の酢豚」は、日常に寄り添う本格の一皿

夜のアラカルト仕様でボリューム満点。黒醋の酢豚2,180円

城陽市寺田の住宅街にひっそりと佇む中国料理店。店主は東京の有名四川料理店などで腕を磨き、地元・城陽に戻って独立。2015年にここをオープンした。メニューに並ぶのは、確かな経験に裏打ちされた本格的な味を、親しみやすくアレンジした料理の数々。創業から10年を経て、今では子どもから年配の方まで幅広くファンを持つ。

現在は昼営業が中心で、10数種類のセットメニューと点心を揃える。夜営業は前日までの予約制にてアラカルトやコースを用意。「黒醋の酢豚」は、昼のセットでも夜のアラカルトでも味わえる人気メニューのひとつ。

 

大ぶりの具材に絡む、香りと旨みの黒酢餡

新鮮な油で高温調理。酢豚にはゴマ油を加え、香ばしさを引き立てる

「黒醋の酢豚」に使う豚ヒレ肉は、味がよく染み込むように切り込みを入れ、衣をつけて高温の油でカラっと揚げている。タケノコやレンコン、キュウリ、パプリカも一緒に素揚げし、軽く油を切ったあと、ぐつぐつと滾る黒酢餡へ一気に投入。

中華鍋を豪快に振るい、豚肉と野菜を餡で一気にまとめ上げる見事な手際

黒酢餡は、中国の「鎮江香醋」をベースに、中国と日本の醤油を加えたもの。味の要は、なんと塩。しょっぱさを感じない絶妙な塩梅で加えることで、餡の旨みをさらに際立たせている。甘みは最小限。少量の沖縄の黒糖でコクのある味わいに、上白糖と水あめで作るしっかり焦がしたカラメルでより黒く艶やかに仕上げる。

黒く輝く餡の上に、ごろりと身を委ねる豚肉や野菜たち

湯気とともに黒酢餡の芳醇な香りが立ち上り、黒光りする餡をまとってツヤツヤと輝く具材が食欲をそそる。酸味も甘みも程よく上品で、噛むほどに奥深い旨みがじんわりと広がる。豚肉も野菜もごろりと大ぶりで、食べ応え抜群。皿にたっぷりと広がる黒酢餡を贅沢に絡ませて、白ごはんと一緒に食べるのもおすすめ。昼のセットの場合は、酢豚の量を少し減らし、ごはん、スープ、デザートがつく。

 

しびれと香りが際立つ、店主自慢の四川麻婆豆腐

土鍋にたっぷりと入った夜のアラカルト仕様。四川麻婆豆腐1,980円

「四川麻婆豆腐」は、四川料理店で修業を積んだ店主得意の名物メニュー。ふつふつと餡が沸いたまま土鍋で提供される、迫力あるビジュアルも魅力。こちらも昼のセットでも夜のアラカルトでも楽しめる。

鍋を振るうたび、店内に刺激的な香りが立ち込める

麻婆餡には、赤山椒(花椒)と青山椒を使用。刺激的なしびれとフレッシュで爽やかな香りが存分に楽しめる。旨みの深いピーシェン豆板醤や朝天唐辛子など、四川料理に欠かせない本場の調味料も惜しみなく使った本格派の麻婆豆腐。

しびれと辛さがガツンとくる麻婆豆腐は、白ごはんとの相性も抜群

自家製ラー油がいつまでも冷めず、辛さをより増幅させる。ハフハフと言いながら刺激と旨みを堪能し、アツアツの餡が口からのど、胃へと移りゆく。全身で味わえる一皿。小辛、普辛、中辛、激辛の4段階あり、土鍋で提供されるのは普辛以上。辛さが苦手な方は小辛がおすすめ。

他にも、担担麺やあんかけ焼きそばなどの麺類、チャーハンや丼、フカヒレの姿煮など幅広くラインナップ。どの料理も「味」だけでなく、「香り」も大切にしており、「百菜百味」(=百の料理には百の味や香りがある)といわれる多彩な四川料理の神髄を最大限に表現する。香りの要である、ネギ油や山椒油、ラー油などの調味油は少量ずつ手作りし、新鮮なうちに使い切る工夫も。

 

本格中国料理が気軽においしい、城陽で愛される一軒

壁に掲げられた赤いパネルは、わかりやすい写真付きのランチメニュー

明るく広々とした店内は、ゆったりと落ち着いたリラックスできる雰囲気。テーブルとカウンターのほか、座敷もあり小さな子ども連れも安心。近所の方をはじめ、宇治あたりから訪れる客も多いそう。

よくみると店内にはサッカーJ1所属の京都サンガF.C.のサイン入りユニフォームがたくさん。実は、近くに練習場があり、選手が度々訪れるのだとか。店主家族もサポーターとして全力応援中。駐車場入り口には、紫色ののぼりがはためいており、ちょうどいい目印になっている。

近鉄寺田駅から徒歩約10分。5台の駐車場を備え、車での来店がしやすいのも魅力

学生時代にこの道を志し、これまで中国料理一筋に歩んできた店主。縁あって地元で独立し、10年余り。本格的なおいしさを生まれ育った地域の人々に届け、愛されてきた。今では京都サンガF.C.とのつながりもあり、その確かな味は、着実に支持を広げている。