京都で希少な、中国最高峰「正岩茶」に出会える茶房

蛸薬師東洞院を東に入ってすぐにある小さな茶房。「武夷岩茶」を日本に初めて導入した東京・目黒「岩茶房」の姉妹店として2004年に開業し、以来一貫して、京都ではなかなか出会えない中国最高峰の「正岩茶」を提供してきた。
「武夷岩茶」とは、中国福建省の武夷山で生育・製茶される最高級ウーロン茶のこと。中でも標高300m以上で採れるものを「正岩茶」と呼ぶ。「岩茶房」で扱うのは、中国随一の名人茶師・劉宝順氏が「岩茶房」のためだけに製茶する希少な「正岩茶」。無農薬・無化学肥料の茶葉を手摘みし、炭火による伝統製法で仕上げた、味・香りともに最上級の逸品。
「正岩茶」は常時15銘柄を用意。くつろいだ雰囲気のなか、気軽に本格を味わえるのがこの店の最大の魅力。茶葉ごとの丁寧な説明もあるので、中国茶初心者でも安心。毎年1月頃からは新茶も登場する。
武夷山が育む香りと余韻。個性豊かな「正岩茶」を味わう

蓋をそっと開けると、自然の力強さを感じる香りが立ち上る。武夷山の岩の養分が醸し出す特有の個性ある香りと、多様な有機ミネラルがもたらす奥行きのある味わいは「岩韵(がんいん)」と呼ばれ、岩茶の命といわれている。
香りを楽しんだら、ひと口。清らかな喉越しのあと、芳醇な旨みがじわじわと広がる。ウーロン茶のイメージを覆すような味わいを、ぜひ体験してほしい。

茶葉を入れた小ぶりの急須と、たっぷりのお湯を入れたポットが供され、1セットで6~7煎が可能。2杯目は30秒(新茶は20秒)ほど蒸らし、以降は10秒ずつ蒸らす時間を延ばしていく。煎を重ねるごとに変化する岩韵を、じっくりと味わいたい。1~2つの岩茶を2~3名でシェアもできる。(シェア代別途)。お茶菓子が付いてくるのもうれしい。
写真のお茶は、樹齢100年の古樹から摘んだ茶葉を、強めの火入れで製茶した「老水仙(らおすいせん)」。古木ならではの迫力ある風味とまろやかな甘みがあり、胃腸の疲れや強いストレス感じたときの精神の安定にも効果があるとされる。体の芯からぽかぽかと温まり、ふつふつと活力が満ちていく感覚を味わえる。
「正岩茶」によく合う、ほかほか手作りマーラーガオ

「正岩茶」に合う手作り点心も揃い、「マーラーガオ」もそのひとつ。「マーラーガオ」はマレーシア発祥で洋菓子からヒントを得た中華風蒸しケーキ。本場で使われるラードは入れず、国産小麦と平飼いたまご、きび糖、低温殺菌牛乳と、体にやさしい素材のみで蒸し上げている。
「正岩茶」の豊かな香味を引き立てる素朴であっさりした味わい。蒸かし立てが供されるので、生地は熱々でふかふか。プレーンのほか、乾燥いちじく、かぼちゃの種、クコの実など、季節に合わせたトッピングを用意する。その日のトッピングはスタッフに確認を。
ほかにも中国粥やジャージャー麺のランチ、豚まんや水餃子、ココナッツ豆腐などのデザートも。2月ごろにはあんまんやミルクまんが登場予定。冬から春にかけては温かい点心、夏にはプリンやアイスが登場。どれも体を思いやるオリジナルレシピで手作りしている。
一煎ずつ、時間を味わう。「正岩茶」と過ごす空間

木の風合いに、書や篆刻が掲げられたシックな店内。2~3人のグループでも、ひとりでも、落ち着いて正岩茶と向き合える空間が広がる。


本来、岩茶を淹れる器は蓋碗、茶海、茶杯となるが、気軽に飲んでほしいとの思いから、岩茶房では日本の茶器を使った淹れ方を提案している。喫茶では有田焼の急須やシェア用のデミタスカップを用意。自宅で4~5人分入れるなら、煎茶用の急須で十分とか。
「岩茶房」では年に1度、武夷山を訪ねる旅行を実施。お茶を通した日中文化交流を行っている。その際、「岩茶房」の「正岩茶」を一手に担う茶師・劉宝順氏を訪問。劉氏へお茶の感想を伝えたり、劉氏からお茶をふるまってもらったりといったコミュニケーションを通して、「岩茶」をより身近に感じられる機会となっている。
全国から岩茶ファンが集う人気店

四条烏丸にほど近く、日常の合間に立ち寄りやすい街中で22年。「仕事に疲れたときや、休日のひとり時間に、心を休め整える場所でありたいです」と店主。
中国茶や「正岩茶」と聞くと、敷居の高さを感じる人もいるかもしれない。でも「岩茶房」なら、作法を知らなくても大丈夫。正岩茶の奥深い香りと味を、ただ素直に楽しんで。

定期的に中国茶教室も開催する。「岩茶房」創設者の佐野典代さんを講師に迎え、中国茶文化を知り、珍しいお茶を飲みながら学べるサロン的教室。誰でも参加できるので、「岩茶房」で中国茶に興味を持ったなら、ぜひ一度問い合わせを。
