柔らかさと弾力、しなやかなコシを併せ持つ絶品うどん

下鴨高木町にある、葵の葉のロゴが目印のうどん店。2016年のオープン以来、着実にファンを増やし、今では遠方から通う常連客も多い。うどんは、手打ちうどん専用の国産小麦「天地のめぐみ」を使用し、気候に合わせて繊細に調整しながら自家製麺。注文ごとに圧力釜で茹であげることで、「理想に近い麺」が完成したと店主はいう。
それはすなわち、表面はふわふわと柔らかく、もちっとした弾力もあり、さらにしなやかなコシも備える、という唯一無二の食感。太さがありながらも食べやすく、麺の味わいと香りが口中に広がり風味豊か。
そして、麺に負けず劣らず存在感を放つ出汁も凄い。もちろん添加物は不使用。利尻昆布、花鰹、鯖、目近、うるめ、煮干、しいたけをからとった出汁の、体中で感じる圧倒的な香りと濃厚な旨みをぜひ体感してみてほしい。出汁にかえしを加えて長時間寝かせたつゆは、甘みを感じるまろやかな味わい。

スタッフ曰く「隠れファンが多い」という出汁巻きも見逃せない。自慢の出汁がじゅわじゅわしたたり、ふんわりした甘みとともに押し寄せる旨みがたまらない。だし巻きを始め、アテやうどんのトッピングにもなる少数精選の一品料理を揃える。「葵ぶっかけうどん」のトッピングにもなっている「すじ煮込み」も人気。
「葵ぶっかけうどん」には、ほかに海老、茄子、ササミの天ぷらと大根おろしもトッピング。天ぷらだけでもかなりのボリュームで、食べ応えしっかり。うどん、つゆ、天ぷら、すじ煮込みとどれも食感や風味に存在感があるのに、うまく調和し満足度の高い一杯に。
地域とともに歩む、慈愛に満ちた店


木をふんだんに使った、明るくてナチュラルな雰囲気の店内には、子供用の椅子や知育玩具なども用意。老若男女問わずくつろげる空間に、この店の懐の深さが感じられる。
昨年からは「地域の方への恩返しに」と月1回開催のこども食堂をスタート。さらに、近隣の小学校の校外学習に協力するなど、地域に密着した活動も積極的に行っている。また、大学の多いエリアということもあり、「一人暮らしの学生さんを応援」するため、大学生には大盛無料のサービスも。
店主をはじめスタッフの皆さんの自然体の佇まいが心地よく、店内は穏やかでやさしい空気に包まれている。深く広い思いやりに満ちたこの店でいただくのは、旨みあふれる出汁と柔らかくも力強い麺が響き合ううどん。印象深い居心地と味に、いつまでも余韻にひたっていたくなる。
北大路通に面した、葵の葉がモチーフのロゴが目印

この山小屋のような外観をたよりに、葵の葉の看板を目指して訪れてみて。うどんは「打ちたて、茹でたて」が信条。前日に仕込んだ麺を、注文ごとに茹であげて提供し、その日の分がなくなれば売り切れ御免。できるだけ早めの来店がおすすめ。