ピラフとカレー、意外な相性のよさ!|LOVE THE CURRY VOL.93

あっさり仕上げたピラフに、濃厚な旨みのカレールーがたっぷり。カレーかけピラフ820円

四条大宮交差点の南側ロータリーにある喫茶店。戦後まもなくの開業から変わらぬ雰囲気で人々を迎えてきた。喫茶店の定番「カレーライス」は、こちらでも昔からの人気メニュー。さらに、「カレーかけピラフ」や「カレーかけオムライス」などのアレンジメニューも注目を集め、土日の昼や平日の週替わりメニューとして登場する。

カレールーは、昭和の時代から受け継いだ味を守り、イチから手作り。数種類のスパイスをテンパリングし、炒めた玉ねぎと野菜のペーストとともに、牛肉がほろほろ崩れるまで煮込んでいる。油はほとんど使わず、小麦粉は控えめ。ルーはゆるめのテクスチャで軽い食べ心地。牛肉の旨みが凝縮した濃厚な風味とともに、スパイスの刺激が心地よく口中を満たす、毎日でも食べたくなるおいしさ。

 

カレーとコーヒー、王道の組み合わせ

昭和の喫茶店の趣残るロゴ入りのコーヒーカップ。コーヒー460円

カレーと一緒にぜひ味わってほしいコーヒーは、創業当初から受け継ぐ方法で自家焙煎。先代の教えは「10人中8人に受け入れられる味を」。毎日飲んでも飽きがこない、けれどこの店ならではの個性を持ち、深煎りの苦みと芳醇な香りで多くの常連客に愛されている。

 

「ああ、ハットリーがあるやん」という安心感

重厚感のあるレンガの壁が、落ち着いた雰囲気をつくりだしている

カウンターにはいつもの顔ぶれの常連客が並び、ときには近くの音楽スタジオ帰りのバンドマンや、昭和レトロに惹かれた若い世代も訪れる。そんな幅広い客層を受け入れる懐の深さは、多彩なメニューにも表れている。

時代に合わせてメニューは変遷しつつ、安心感のある味を提供している

コーヒーをはじめとするドリンク類、各種フロートに加え、アルコール類、パフェやホットケーキ、かき氷などのデザート類もスタンバイ。さらに、オムライスや焼きそば、スパゲティ、サンドイッチや週替わりのパンメニューまで揃うほか、日替わりランチや各種定食なども登場。食事メニューの充実ぶりには思わず目を見張る。

お腹が空いたとき、ちょっと休憩したいとき、甘いものが食べたくなったとき、気の置けない友人とおしゃべりしたいときなど、どんな気分や場面のときも、「ああ、ハットリーがある」という安心感が、自然とこの店へ足を向かわせる。

 

三代にわたり歴史を紡ぎ、今も愛される喫茶店

創業78年。今や「四条大宮の喫茶店」といえば、ここ

創業は1947年。昭和の京都に誕生し、平成、令和と、時代を超えて愛されてきた。現在は、二代目の父から引き継いだ姉弟が三代目として店を守っている。今も喫煙可能で、「コーヒーとタバコ」を愛する客のオアシスとしての役割も。訪れる人は皆、それぞれのくつろぎの時間を満喫している。