旬素材の主役が彩る、とっておきのショートケーキ

浄土寺の住宅街の一角に、静かに佇む洋菓子店。パティシエとして経験を積んだ店主が念願の独立を果たし、2023年にオープンした。店内のカウンターにはずらりと焼菓子が並び、奥のショーケースにはショートケーキを始めとする生ケーキがスタンバイ。
注目は「季節のショートケーキ」。独自に配合する生クリームは添加物不使用。あっさりとした食べ心地ながら、しっかりとコクのあるシャンティクリームに仕上げ、バターの風味豊かなジェノワーズも、クリームにあわせてふんわり軽めに焼き上げている。旬の素材を主役に、クリームやジェノワーズは素材ごとにアレンジし、季節のスペシャリテとして提供。
主役は、季節によって変わっていく

夏の主役、ひとつ目は「白桃」。自家製コンポートに仕立てた白桃に、ラズベリーとラズベリー味のパールチョコレートを飾り、ジェノワーズとシャンティクリームにはふんわりとバニラを香らせて。ピーチリキュールのシロップと桃のクーリー(ソース)も挟んで、まさに桃づくし。ひと口食べれば幸せな気分に満たされるショートケーキ。

もうひとつの夏の主役は、果肉たっぷりの「宮崎産完熟マンゴー」。フレッシュマンゴーに、マンゴーリキュールのシロップ、マンゴーピューレ、トロピカルソースをあわせて南国気分を盛り上げる。バニラ香るジェノワーズとシャンティクリームが全体をまとめる、夏色のショートケーキ。完熟マンゴーのとろける食感がたまらない。
小さくても華やか。3号サイズのご褒美ケーキ

最近、人気を集める3号(直径9cm)のミニホールケーキ。ケーキ好きなら1人でも食べられそうな小ぶりサイズで、「自分へのご褒美に」とオーダーする人も多いとか。写真はフルーツがみっちりと飾られた基本のデコレーションだが、デザインの相談も可能。好きなフルーツやモチーフを伝えれば、自分だけのオリジナルケーキを作ってもらえるので、気になるなら問い合わせてみて。
もちろん、他のサイズもオーダー可能。デザインや素材に合わせた味わいのアイディアを練る時間も好きという店主。インスタグラムにはこれまでの作品をまとめたハイライトもあり、店主のセンスあふれるデザインやオーダーした人の個性が光るケーキを見ることができるので、ぜひ参考に。
看板菓子「ティグレ」をはじめ、焼菓子も見逃せない

焼菓子の中でもおすすめは、看板商品の「ティグレ」。フィナンシェ生地にチョコチップを混ぜ込み、中心をくぼませてガナッシュを流し込んだフランス菓子で、定番のチョコレートのほか、抹茶やミルクティーなどバリエーション豊富に取り揃えている。


カフェスペースでは、コーヒーや紅茶、ジュースとともにイートインが可能。ケーキのフレッシュな味わいをその場で堪能できる。散策の途中に焼菓子とドリンクでひと休みするのもおすすめ。
店名にこめた、「おやつ時間」への想い

「Quatre-Heures(キャトルール)」は、フランス語で「おやつ時間」の意味。フランスでは16時におやつを食べる習慣があり、そのひとときを指す言葉。「それぞれのおやつ時間に、この店のことを思い出してもらえたら」という願いを込めてこの店名をつけたそう。
お菓子作りを楽しみながら店を営む店主が手がける、愛にあふれたケーキや焼き菓子。ここで、とっておきのおやつ時間を過ごしてみて。