北海道十勝産「どろぶた」ハンバーグのスープカレー|LOVE THE CURRY VOL.94

今年7月で10周年を迎えたレストラン。店名に「Agri(=agriculture。英語で“農業”の意味)」と掲げる通り、食材を主役にした料理が楽しめる。
平日限定の「どろぶたハンバーグのスープカレー」は、北海道に15年暮らした店主が持ち前の“食への探究心”を全開にして作り上げるランチメニュー。
サラサラとしたテクスチャの特製スープは、旨みが凝縮された奥行きのある深い味わい。フレンチの魚介スープ「スープ・ド・ポワソン」の製法で作った真鯛のスープと、鶏ガラを使ったチキンブイヨンの2種類のスープを合わせている。裏ごしした飴色玉ねぎ、トマトの旨みも通奏低音のように響き、さらりとした食べ心地ながら骨太な滋味が味覚に押し寄せる。隠し味として、ナンプラーの塩気も良いアクセントに。
スパイスは、ホールタイプもパウダータイプも多彩に使用し、クミン、カルダモン、花椒が際立つ爽やかかつ華やかな風味が特徴的。なかでも花椒は、「エッ、そんなに入れるの!?」というほど大量に投入。“シビ辛”な刺激がやみつきになる。
スープカレーといえばの醍醐味、ゴロゴロとした大ぶりサイズの揚げ野菜には、京都・大原産のものを使用。また、ハンバーグには北海道十勝産のプレミアム三元豚「どろぶた」を使う。極粗挽きと細挽き、二種類に挽いたミンチを手捏ねすることで、フワフワとしながら弾力も感じられるしっかりとした食べごたえのポークハンバーグになるとか。
店主の野々村さんが「食材オタクが趣味で作ったようなもの」と笑って言う、ある種“粋狂”な魅力あふれる逸品。
ディナーは、決まったメニューはない“割烹”スタイル

ディナータイムは、黒板にあるものから来店客が食べたい食材を選び、野々村さんが客の好みやリクエストに合わせた料理を作って出してくれる。何よりも食材第一。つながりのある生産者から直接仕入れたり、大原の朝市に出向いたり。「作っている人の顔が見えるのが一番」と話す野々村さんの、生産者へのリスペクトにあふれたカウンターごしのおしゃべりも楽しく、興味深い。
店に欠かせない食材、北海道幕別町で育った「どろぶた」

縁あって巡り合った「どろぶた」は、今では「Agri」の料理に欠かすことのできない大切な食材。十勝平野のど真ん中を駆け回り、木の実、幼木、草の根など自然の栄養をモリモリ食べて育つのだそう。カウンターに堂々鎮座する生ハム原木は、野々村さん自ら北海道幕別町まで出向いて仕込んだもの。独特の風味と、口いっぱいに広がる旨み、とろけるような脂の甘みは他にない味わい。
麩屋町通二条下ル。7月25日で10周年を迎えた


スープカレーは2年前からスタートしたランチメニュー。「スパイス味玉」などのトッピングも有り。なお、ランチタイムは予約不可。