甘辛ガパオ×まったり黄身のナイスコンビネーション

一乗寺駅すぐの場所で10年以上愛されている小さなタイ料理店。メニューには、タイカレーやガパオライス、パッタイやトム・ヤム・クン、カオソーイなど、日本でもポピュラーになってきたタイ料理のほか、一品料理やデザートも並ぶ。
ガパオライス(鶏ミンチのバジル炒め&ジャスミンライス)は、大ぶりのくし切りにした玉ねぎのシャキシャキ感と鶏肉の肉肉しさが楽しい個性的なひと品。フードプロセッサーで粗めに刻んだ鶏むね肉と鶏ミンチを半々でブレンドすることで、食感にメリハリをつけている。味付けにはナンプラーやオイスターソースのほかタイの醤油を3種類を用い、きび糖や甘醤油の甘みも相まって少しすき焼き風味も感じられる味わい。鶏油を作る際にできる鶏のコラーゲンも加え、まったりとしたまろやかな旨みが味に奥深さを与える。

旨みの深い甘辛ガパオに目玉焼きの黄身を混ぜ、香り高いジャスミンライスと一緒に食べればおいしさは本場以上。実はタイでは、目玉焼きは両面焼きのよく焼いたものがポピュラーなのだそう。白身の外側はカリカリ、内側はぷるぷる、黄身はとろとろという見事な目玉焼きは店主の香取さん渾身の焼き加減。うっとり見とれて、おいしく味わって。開店以来改良を重ね、現在のレシピにたどり着いたのは2年前。パクチーが苦手な方は、「パクチー抜き」もお気軽に。
伊勢志摩から届く“白身魚の生ハム”はお酒のアテにぴったり

週末は夜10時まで営業しているので、タイ風居酒屋としての利用もおすすめ。
今年メニューに加わった「白身の魚ハム・パクチードレッシング」は、香取さんと縁のある伊勢志摩の海女から直接届く「白身の魚ハム」を、自家製のパクチードレッシングと和えて提供する一品料理。生ハムのような燻香を纏った白身魚の味わいと独特のパクチーの風味、刻んだレッドペッパーと唐辛子の刺激がおつまみにぴったり。魚はタイミングによって変わり、この日はもっちりとした歯ざわりのアイゴを使用したもの。
タイのワインやビール、「ラオカオ」と呼ばれるタイの焼酎にもよく合うほか、自家製チューハイもおすすめ。
イエローの壁が鮮やかでぬくもりのある雰囲気の店内


オーガニックな趣向の凝らされた店内は、こぢんまりとして落ち着く雰囲気。実は香取さんは、毎年糺の森で開催されている人気マーケットイベント「左京ワンダーランド」の主催を務める。壁には、出店者の缶バッチも飾られている。
叡電「一乗寺」駅すぐのまちかどに

2013年のオープン以来、スタイルを変えつつこの場所で地元客を中心に愛されてきた。パクチードレッシングのほか、様々な調味料を手作りする香取さん。オープン13年目も試行錯誤を続けながら、タイ料理を足場にオリジナルな味を追求する。
