ドーナツ型のチュロスが定番。モダンな町家カフェ

味も形も新しくなったチュロス(各450円)。カフェラテ(750円)と一緒にどうぞ

2025年3月、兵庫県の大自然に囲まれたカフェ「Sticks Coffee 夜久野高原」が京都へ進出。アットホームな温かい雰囲気を引き継ぎつつ、スイーツのレシピや店のロゴを一新し、モダンな町家カフェとして2号店をオープンさせた。選りすぐりの豆で淹れるコーヒーと、それに合うスイーツが味わえる。

看板スイーツはチュロス。砂糖をたっぷりまとった、まんまるのドーナツ型がかわいらしい。ラインナップが30~40種類と豊富で、その中からスタッフが毎日10種類をセレクトして作っている。本日のチュロスは、ココア生地のシナモンシュガーや、プレーン生地のシュガーなど。「ワクワクする時間を過ごして欲しい」という店の思い通り、ショーケースに並ぶ色とりどりのチュロスを見るだけで心が躍る。

 

チョコや抹茶など、彩り豊かなチュロスがずらり

 

シナモンシュガーがふんわり香る、サクもち食感のチュロス

表面の細かなギザギザが、クリスピーなサクッと食感に。左がシュガー、右がシナモンシュガー

店で揚げる手作りチュロスは、外がサクッと、中がもっちり。ここでしか味わえない、クリスピーなのにしっとりとした絶妙な食感に驚く。一口食べると広がるのは、砂糖や生地の優しい甘み。さらに京都限定のシナモンシュガーなら、シナモンの柔らかな香りがふんわりと続く。

 

オリジナルの季節プリンも。新しいフレーバーが続々と登場

固めに仕上げた塩キャラメルプリン(950円)

ほかにはプリンが定番人気。季節ごとに次々とフレーバーが入れ替わるのが特徴で、これまでに紫芋やモンブランなど、オリジナルの一品が登場してきたという。どのフレーバーもコーヒーとの相性が抜群。新メニューが出るたびに思わず足を運びたくなる。

取材時のおすすめは塩キャラメル。上品な甘さのプリンに塩キャラメルのソースがとろりと絡み、ほんのりビターな味わいが印象的。添えられた岩塩を少しかければ、プリンの甘みとソースの塩味とのコントラストがいっそう際立ち、奥行きのある味わいへと変化する。

 

コーヒーは産地や農家を大切に。豆本来の味わいを引き出した一杯

本日の豆はタンザニア産。フルーティーな味わいで華やかなカフェラテ

コーヒーのラインナップも毎週のように入れ替わり、ハンドドリップだけで産地や農家の異なる7~10種類を用意する。「前と同じでお願いします」という注文が通らないのが、この店ならでは。農家が丹精込めて育てた豆本来の味をじっくり楽しめるよう、ブレンドせず、丁寧に淹れている。コーヒー初心者も大歓迎。店イチオシの豆や、その日の気分に合う一杯を、バリスタが親身に選んでくれる。焙煎した豆は購入でき、お気に入りの味に出会えたら早めに手に入れるのがおすすめ。

 

町家の古き良き風情を感じる、スタイリッシュな店内

店に入ると、真っ先に目を引くキッチンカウンター

地下鉄の烏丸御池駅から徒歩5分。築150年以上の町家を改装し、そのまま残した天井や梁に、コンクリートの床や木製のキッチンカウンターが溶け込むスタイリッシュな空間を作り上げた。店名がうかがえる屋号「橋屋」の暖簾や、おかめの顔が描かれた提灯など、日本らしい調度品がところどころに置かれ、非日常な雰囲気が漂う。

 

オープンな吹き抜けがスタイリッシュな空間に寄り添う

 

人と人が出会い、ホッとできるカフェで特別なひとときを

押小路通面す。デザイナーのセンスが光る鉄格子がアクセント

「カフェは人と人が出会う場所」と話す店主。そんな思いが息づく空間で、スタッフが「こんにちは」と明るく迎える。町家を生かしたモダンな店内と、温かな接客、ここだけのスイーツやコーヒーが重なり合い、つい肩の力が抜ける心地よさ。「また立ち寄りたい」と感じずにはいられないカフェ。