自家焙煎のストロングな深煎りブレンド珈琲

2025年8月8日、一乗寺にオープンした喫茶店。メニューは珈琲とケーキのみ。手廻し焙煎機で自家焙煎した珈琲を、ネルドリップで一杯一杯淹れる。そんな手間暇を惜しまないスタイルが今の時代に静かに輝く。
ブレンド2種、ストレート4種を揃える珈琲のラインナップは、基本的にすべて深煎り。なかには、「極深煎り」と呼ばれるほど深くローストしたものも。
インドネシアをベースにエチオピアも加えた「ストロングブレンド」は、しっかりとした苦みの中に、甘さも感じられる香りの良い一杯。浅めに煎られることが少なくないエチオピアは、深く焙煎しても甘みや香りが飛ばないという特長もあるのだそう。
ネルドリップで淹れる、まろやかで濃厚な一杯

「濃い珈琲が好き」という店主の遠藤さん。少し低めの温度でうんと濃いめに淹れたその味は、一口飲んで思わず声が漏れる。まさしく“珈琲”の芳味そのもの。
苦くて濃い珈琲には、ココアたっぷりの自家製ガトーショコラを

自家製のケーキは、チーズケーキとガトーショコラの二種類。特にガトーショコラは、ビターな深煎り珈琲との組み合わせが最高。ココアたっぷり。乳脂肪分は控えめなレシピでカッチリと焼き上げられたガトーショコラを、少しずつフォークで切り崩して食べるコーヒータイムは至福のひととき。
ひとりの時間を静かにゆっくり過ごせる店内

薄布から透ける自然光で満たされる店内は、ひとりがよく似合う静謐な空間。近くには、恵文社一乗寺店などの書店、古書店が点在し、本を片手に来店する人も多いそう。
“自分と向き合う音楽”「ヒューマンソング」とともに過ごす喫茶時間


店内に響くBGMも魅力のひとつ。かつて渋谷に存在した伝説のロック喫茶「ブラック・ホーク」で選曲係を務めた故・松平維秋氏により「ヒューマンソング」と命名された音源を中心に、かかる音楽はすべてアナログレコード。ごく個人的な内面を歌い、アコースティックな響きが優しくも寂しい「ヒューマンソング」は、じっくり淹れられた珈琲によく合う。音楽が鳴り止み、盤を裏返すその束の間の静けさも味わい深い。
「京都は深煎り珈琲が“生きている”町」

近年、全国的に浅煎りの珈琲が人気を集めるなか、「京都は深煎り珈琲が“生きている”町だと思う」という遠藤さん。早くも「京都の喫茶店」として、ひとりの時間を大切にする地元客に愛されている。
