新鮮な旬の野菜はなんておいしい!“フュージョンバインミー”でお届け


「うちの店の野菜はめちゃくちゃおいしいんです。それを皆さんにお伝えしたい」。力強くそう語るのは、「120gバインミー京都」の店主・浦智洋さん。かつて世界を旅し魅了されたストリートフード。中でも惹かれたのがベトナムで食べたバインミーだった。「植民地時代にフランスから入ってきたものと、現地の素材がうまく融合していて面白いなあと思って」。浦さんはスペインで料理人としてのキャリアを積み帰国。日本ではサラリーマンを経験するも「自分の店を持ちたい」という思いがくすぶっていた。

あのとき心惹かれたバインミー。「一年を通して同じ野菜しか挟まないベトナムのものより、日本の旬の野菜を使えばもっとおいしくなるはず」。京都・鞍馬口の老舗漬物店「富屋」の社長から、京都・大原のオーガニック野菜ファーム「つくだ農園」を紹介してもらい、動き出す。「有機JAS認定の無農薬野菜と昔ながらの製法で乳酸発酵させた漬物。どちらもびっくりするぐらいおいしくて、うちのバインミーによく合うんです」。

かくして昨年2月、岡崎疎水沿いに店をオープンさせる。掲げるテーマは〝ナチュラル、スパイシー ハーバル、サスティナブル〟。作るのは野菜が主役の〝フュージョンバインミー〟。「身体に負荷がかかるものは提供しない」ことを徹底し、ハムやレバーパテ、旬野菜のポタージュも無添加・無化調で手作りしている。

「これからは身体にいいものを意識して摂る時代が来る。身体によくて自然にやさしい、僕らにしかできないフュージョン料理にもチャレンジしたい」。ベトナムで出会ったバインミーと、京都メイドの融合。あのとき心惹かれたバインミーを進化させ、未来を見据えながら、「今は一生懸命バインミーを作っています」と謙虚に真摯に、今日も浦さんは、小さな店のキッチンに立っている。

約8種類以上の旬の野菜をサンドしたバインミー


城陽のパン店と試行錯誤を重ねたバゲットは米粉の配合を工夫。軽さと歯切れの良さが際立つ渾身のオリジナル。野菜を丸ごと使うポタージュもおすすめ。有機野菜と手作りハムのクラシックバインミーセット1,100円※スープorドリンク付

ずらりと揃う香辛料。味付けはシンプルに、唐辛子はしっかり効かせてスパイシーに。

約8種類の野菜を挟むが、「冬は根菜、夏は葉物やゴーヤがおいしくて、10種類以上使うことも」。「野菜が主役の店だからナチュラルな雰囲気に」と店内には愛知の「作庭 嘉エ門」に依頼した植栽がたっぷりと天井からぶら下がり、窓際にも大小の鉢が並ぶ。テイクアウト中心だが、数席のイートインスペースも用意。